Blissful Touch ―ダンスをもっと美しく、もっとナチュラルに。

ダンサーのためのコンディショニング・サロン「ブリスフル・タッチ」公式ブログ。ヒトが0歳児の時に行う原始的運動メニューを分析し発展させた運動プログラム「ナチュラリゼーション」を中心に、ダンサーの皆様と地域の皆様の美しく健やかな身体づくりをサポートしています。

饒舌抄

移動の際の電車の中で、今読んでいるのは
吉田五十八という数寄屋建築を独自に近代化した建築家の
随筆等をまとめた「饒舌抄」の文庫本です。

饒舌抄 (中公文庫) 

伝統的な日本建築の世界での
今でいう、イノベーターでしょうか。

幼いころから能に触れ
長唄は玄人はだしであった吉田氏なので
建築についてだけでなく
能、地唄舞、邦楽といった
「芸」についても随所で語られていたりもするし
やはり、そうして人の動きに触れ
声(息)に触れ、自身もそれを経験してきたからこそ
ただ、美しい・新しいだけではない
居心地の良い「日本の家」「人の住まい」を
創ることができたのではないかと思うのです。

そして、その語り口には
エッセイストとしての才もなかなかのものだと
改めて感心させられる一冊です。

美術、芸術の世界では、如何に素人の存在が貴重であるか、その値打ちを、ひしひしと骨の髄まで知りつくして居るのが玄人であり、それを少しも知って居ないのが素人その人であると同時に、素人を羨望している玄人を、更に、羨望しているのが現在の素人である。
「素人と玄人」

 

人間は気のもんであって、鬼門も気門に通じて気のもんである。であるから鬼門が気になったら忌門と思て家相を見て貰て安心すべきであり、又一向に気にならない人は、鬼門を貴門と思て無理にこれを気に病む必要はない。ものは思いようである。
「鬼門談義」

 

私は近頃、あまり住宅はやらなくなってしまった。私がやらなくても真似をする人が代行してくれるから、それでいいじゃないですか。しかしそれが私よりうまいとは思わない。ということは、私のやっている本当の意味がわからないんですよ。私はさんざん昔の古い建築を勉強して、それから新しい数寄屋をやった。それが、違うんですよ。昔の建築を修行していない人がやると、とてつもないことをやるんですよ。
「対談 木のこと 木造建築のこと」

 

自分では、よく見ているつもりでも、ほんとうは、そのものの核心をつかんでいないことがよくある。昔から心眼という言葉があるが、眼ばかりで見ていないで、心のうちで、その核心を見極めなければ、いけない。
美しいものを見る場合、そのものの美しさを、自分の身体で、直に受けとめて、骨の髄まで、それを浸み込ませてこそ、ほんとうに、そのものを見た、ということになるのであろう。
「スライド建築家」

 

f:id:blissfultouch:20170713042815j:plain

ふと本から目を離すと
空を映した川面の青の深さと緑。
夏を感じる光景です。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...