Blissful Touch ―ダンスをもっと美しく、もっとナチュラルに。

ダンサーのためのコンディショニング・サロン「ブリスフル・タッチ」公式ブログ。ヒトが0歳児の時に行う原始的運動メニューを分析し発展させた運動プログラム「ナチュラリゼーション」を中心に、ダンサーの皆様と地域の皆様の美しく健やかな身体づくりをサポートしています。

生い立ち

さとう式リンパケアの「腔を広げる」という概念に出会って

それを体感し、自分の中で起きていることを考える中で

今、また再読している三木成夫の本ですが

私たちの身体の太古の昔からの「生い立ち」に触れてみると

もともと横隔膜が首の筋肉から分かれたものであるなら

何か緊張して息を詰めたようなときに横隔膜もまた緊張するのも頷けますし

呼吸筋のみなさん、ご苦労様ですという気持ちにもなります(^^;)

せめて、働きやすい環境を整えてあげたいものですね。

さとう式リンパケアの基本となる考え方については

以下の記事の中で、とてもわかりやすい解説の動画を

公開してくださっています。

セラピストのための 基礎医学 生理学 発生学 力学

セラピストの方に限らず

ぜひ、多くの方にご覧戴きたいと思います。

以下は、上で触れた「生い立ち」の

呼吸に関わる筋肉についての文です。

さて、この肺に空気を吸わせる横隔膜は、本来、内臓の平滑筋ではなく、体壁を造る骨格筋の分身である。だから、仕事の時それらの筋肉が活動すると一緒に収縮してその都度効率よく酸素を取り込み、内なる燃焼を助けるように働く。まさに吸い込み専用の筋だ。
 これに対し「呼気の相」では、腹筋群が収縮して腹をへこませる。もちろん、胸式呼吸が混じると胸筋も加わるが、この腹と胸の筋肉はもともと胴体を”くねらせ”て、前進させるための運動筋で、呼吸の面度見は副業にすぎない。ワンマンカーのバスの運転手が片手間に銭の方を見ているようなものだ。

 ここから、吸う方には横隔膜があるが、吐く方には、これに相当する専用筋のないことがわかる。”吸うは易し、吐くは難し”といわれるゆえんであろう。
 ここに至るまでには、あの太古の地殻の大変動によるせきつい動物の上陸という悠久のドラマがあった。エラの呼吸筋が不能になって、代わりに上述の体壁筋が駆り出されたのが、この時であるが、横隔膜はやがてこの筋層から造られることになる。そこでは「クビ」の前壁から筋をはがして肺の底まで引きずり下ろすという造物主の離れ業が演じられたのである。
 これで、呼気は瞬間的にも可能になったが、物事には裏がある。それは、ストレスが続くと、この膜が緊張し通しとなり、結局、休養による以外は抜くことが出来ない、あの息詰まりが起きてしまうということだ。「仕事と息抜き」の両立が、ここから問われ出す。
 ここで、しかし大切なことは、この吐く息の中には、横隔膜の吸い込みに打ち勝つだけの力がつねにこめられているということだ。古来、丹田呼吸と呼ばれているこの呼吸は、今も赤ン坊の泣き声や掛け声の中に生きているが、しかし昔は、どんな仕事もみなこの呼吸でやっていたと私は思う。

Dsc_0501

海・呼吸・古代形象―生命記憶と回想
三木成夫/うぶすな書院 1992

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