Blissful Touch ―ダンスをもっと美しく、もっとナチュラルに。

ダンサーのためのコンディショニング・サロン「ブリスフル・タッチ」公式ブログ。ヒトが0歳児の時に行う原始的運動メニューを分析し発展させた運動プログラム「ナチュラリゼーション」を中心に、ダンサーの皆様と地域の皆様の美しく健やかな身体づくりをサポートしています。

旅路

幼い頃の憧憬はありましたが

私がバレエと出会いは自分から求めたというよりは

大きく環境が変わり、少し自分を生きる時間を思い出した頃

たまたま目の前で開かれた扉でした。

それに何故それほどまでに惹きつけられるのか

自分自身でもよくわからぬまま関わりを深め

解剖学的な知識に触れるほどに

バレエという美から、この身体を拒絶されているような気がしたものです。

そう感じても、自分の中の何かが

人の身体の可能性には

本当に限界があるのだろうかと

何かひとつの目標点に達するためでも

何かのためでもなく

ただ、そのプロセスを見届けたいような

あるいは問いとでもいうような

得体の知れない強いエネルギーに

突き動かされるような何かと

共鳴しているように感じていました。

拒絶されているものを説き伏せようとでもするかのような

模索の日々が10年以上続きました。

その過程では、身体を力づくで解き伏せるようなアプローチに

活路を求めたこともありました。

確かに、それは機能的な面で多くの広がりを齎してくれました。

そのプロセスが無ければ

開かれなかったものもあったと思います。

けれども、その機能の広がりと

「私」の間の何かが同調しない

その機能的な制限を生じさせていた

「私」の中で息を潜めている何かに

触れていかないことには

本質的な変化にはなり得ない

そう感じるようになりました。

身体と

心や気持ちといった

自分自身が捉えている「私」と

その隙間にあって作用している何か

その捉えようの無いものに

どう働きかけたら、そこに調和や共振が生じるのか

それを模索する日々が更に10年ほど続きました。

痛みや症状を追っていっても

本質的な改善には繋がらないように

その後半の10年の中で

まず「変えよう」という、どこか支配的な向き合い方ではない

今、感じる私の身体を

評価することも、操作しようとすることもなく

ただ、そのまま感じ取り

ただ、そのまま聴き

ただ、それに寄り添うように向き合う時間を重ねる中で

私の中の「わたし」の気配のようなものを

いつも漠然と感じられるようになってきました。

そのプロセスを支えたのが

身体が本来持つ力を尊重し

私がわたしであることを繋ぐ

穏やかな働きかけの中で

深い寛ぎとそこから生じる動きに委ね

私がわたしを

わたしが私を

相互に感じあうような時間で

その気配が感じられるようになってはじめて

それまでどうしても調和しきれなかったものが

「私」と「わたし」と「からだ」との間で

提案したり、聞き届けたり

何か全く違う「内なるコミュニケーション」が

生じたように感じられるようになりました。

そこから自ずと齎される変化は

以前とは全く違った眺めと居心地を

心にも身体にも与え

その居心地が

またより自然な調和へと向かう変化を促す

今はそうした螺旋の中にいるような気がするのです。

そして、バレエが拒絶していたのではなく

私が拒絶していた何かが

身体をそこに縛り付けていたのだと

今は思います。

私が分かちあいたいのは

そんなコミュニケーションと居心地への

旅路なのかもしれません。

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